土曜日, 2月 28th, 2009
幸福をもたらす料理 リストランテ Fiocchi(フィオッキ)
祖師ケ谷大蔵のイタリア料理店 Fiocchi(フィオッキ)については、当ブログで何度も
レビューを投稿している。
ここは食べ手の心と体に響く、またイタリア料理の本質がしっかりと表現されたクチーナを
頂ける、東京では数少ない店だと自分は思っている。
控えめに、しかし確かな輝きを放つ小さな宝石のような、珠玉のレストランなのだ。
イタリアの、ピエモンテ主体の郷土料理、もしくはそのアレンジが頂ける。
シェフの堀川氏はピエモンテの他、トスカーナやヴェネトでも修行されているので、
その辺りの料理も若干あり。
プリフィックスだと郷土料理中心で、比較的素朴で優しげな味わいの「トラットリア」的な
メニューが中心。
トスカーナ地方のリボッリータや、アックアコッタ、ピエモンテのトフェイヤなどの、
いわゆる食べるスープである「ズッパ(zuppa)」が頂けるのがこの店の素敵なところ。
最近では都内のイタリアンでこういった料理を出す店もチラホラでてきてはいるが、
まだまだ絶対的に少数派だ。「イタリアン=パスタ」の図式はそう簡単には崩せない。
シェフご本人もおっしゃっていたが、やはりなかなか難しいジャンルではあるとのこと。
しかしこういった品がいただけるのがこの店における真骨頂だと思っているので、
ぜひぜひこれらのメニューは続けて頂きたい!
もちろんズッパだけでなくパスタも秀逸。トスカーナのピチや、ピエモンテのタヤリン、
名前は忘れてしまったがメダルをモチーフにした円盤みたいなラヴィオリなど、伝統的な、
かつ工夫に富んだ品々が頂ける。
そしてディナーで頂ける月別のスペシャルコースだと、堀川シェフのファンタジーアが
発揮された「リストランテ」的なメニューが中心となる。
しかしバリバリ創作料理!ということではなく、アレンジを加えてあっても基となる軸は
しっかり残しており、決して本質がぶれることがない。
自分の中では、この店の料理のそんなところが大きな魅力となっている。
ワインも特筆モノ。こちらはかなりマニアックなワインがそろっており、それらをグラス
でも楽しめるのが大きな魅力。どんなワインをそろえているかでその店のワインに対する
入れ込み具合は分かるもの。ワイン好きなお客がこの店でがっかりすることはまずないと思う。
加えて特筆すべきは、こだわりを通り越してリスペクトの域に達している、
食材及びその生産者への入れ込み具合だ。
食材について言うと、野菜はほぼ埼玉の増田農園の有機野菜を使用しており、
鳩や鴨などの家禽類は茨城の二宮さんという生産者から仕入れている。
季節によりジビエも登場する。フランスからカエルが届くこともある。
こちらの料理には生産者の方に対する多大な信頼とリスペクトの気持ちが、料理の中にも
ギューッと込められていているのがわかる。
一皿の料理から、食材そのものの、あるいはその生産者の、料理人の、様々な深い情報が
伝わってくるのだ。
以前堀川シェフのブログに、余ったくず野菜を細かく刻んで、お米と一緒にズッパに
仕上げたまかない料理が登場したことがあった。
幸福とはきっとこんな場所に宿るものなのだ、という気がする。
某イタリアンレストランのメニューにあるような、キャビアを盛りつけた、1万円も
するような前菜の皿の上に、などではなく。
都内に「美味しい」だけの店ならいくらでもある。
でもそこで過ごすことによって幸福をもたらしてくれるほどの店には、なかなか出会えない。
もし今これを読んでいるあなたが、いわゆる3色国旗を掲げた適当イタリアンなどではなく、
きちんとイタリア料理の本質が表現された店で食事をしたかったら、この店に行って
がっかりすることはまずないだろう。
そんな気難しい要求なんかじゃなくて、ただ単に美味しいイタリア料理とともゆったり
とした至福の時を過ごしたい、というだけの理由でもいい。
そんな時に、恵比寿や広尾、麻布あたりの有名店をチョイスする前に、だまされたと思って
一度この店に足を運んでみてほしい。
イタリア料理 Fiocchi(フィオッキ)
東京都世田谷区祖師谷3-4-9
小田急線祖師谷大蔵駅より徒歩3分
改札を右に出て、左手のそば屋と花屋の間の商店街を進み、左手。
成城学園前駅からも徒歩で行ける距離です。
















