土曜日, 1月 29th, 2011
Profondo Torino – トリノの深淵
トリノ・カフェシリーズは一休み。(ネタはしつこく残ってます・・・)
今回のタイトルは、ダリオ・アルジェントの代表作となる映画 Profondo Rosso(紅の深淵)
とかけている。ちなみにこの映画、日本では配給会社の商魂により「サスペリア パート2」
とされている。今回のトリノ旅行で、この映画の重要な舞台となるCLN広場を訪れた。
ちなみにCLNは”Comitato di Liberazione Nazionale”の略。
ファシズム政権下におけるレジスタンスの闘争と関係があるらしい・・・
CLN広場はサン・カルロ広場の裏手にある。上の、双子教会と呼ばれるサン・カルロ教会
とサンタ・クリスティーナ教会の丁度背面に、大きな彫像が横たわる噴水がある。
(左:サン・カルロ教会、右:サンタ・クリスティーナ教会)
この写真は昼間に撮影したが、最初は夜に通りかかった。
それがまさに映画のシーンとまったく同じ光景だったので、かなり感慨深いものがあった。
この左下噴水の淵が、冒頭のシーンで酔いどれカルロと主人公マークが会話をかわした
場所である。酔いつぶれたカルロの後ろの壁に写るゆらゆらした水面の反射も、噴水の
流れる音も、そっくりそのまんまであった。
ただそれだけ。・・・でも眺めていたら、涙がこぼれそうになりました、ワタシ・・・
まるで自分のすぐ目の前に、カルロとマークがいるような気分だった。
写真に撮るのを忘れてしまったが、殺人が行われたアパートの窓も、マークが事情聴取を
受けるために警察に連行される際に出てくるアパートメントのドアも(このシーンは完全
版にしかない)、そっくり映画と同じであった。
「あぁー、映画とおんなじだーーー!!」とひとりで興奮・・・。
この噴水及び彫像は、それぞれポー川とドーラ川を象徴しているとのことだ。
ドーラ川の象徴であるこの女性像は、何故か映画にはいっさい写っていなかった。
ところで、あるエッセイストが週刊誌にこんなことを書いていた。
「かつてキノコ狩りをしたとき、キノコを採るためにどんどん山の奥まで入っていって
しまい、ぞくぞくするほど楽しく、かつ恐ろしくもあった。キノコの魅力に取り憑かれたら、
奥へ奥へと入り込んでいかざるを得ないのである」
自分にとってトリノはまさに、そのキノコのような魔力を秘めた存在である。
一旦トリノの魅力に気付いてしまったら最後。どんどんその深淵まで潜り込んでいかざる
を得なくなる。(アリタリア機内誌「Ulisse」のトリノ特集にもそんなことが書いてあった)
実際トリノのことを調べたり、思い浮かべたりしていると、楽しいと同時にふと恐ろしさ
を感じる。ここまで夢中になってしまう自分と、そこまで人を引きつけるトリノの、魅力を
通り越したような魔力が、恐ろしくもあるのだ。このまま奥へ奥へと突き進んだら、そこに
何が待っているのだろう、、、とふと思う。
トリノはオカルト的な都市として一部で知られているが、そのような意味合いと全く別の
意味で、人を底知れない深淵へといざなう魔都なのである。
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